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夫婦別姓が日本の葬儀に与える影響
現在の葬儀は家族や親族を中心に行われており、「家」や「姓」という概念が深く根付いているため、夫婦別姓が導入された場合、慣習や手続きに混乱が生じると考えられます。
喪主の決定:
一般的に配偶者、子、親、兄弟姉妹の順で喪主を務めることが多く、同じ姓であることが親族関係を明確にする要素の一つとなっています。
配偶者が別姓の場合は訃報紙の故人と喪主の姓が異なるので、訃報紙を見た方が正しい情報を得られないなど不便なケースが生じると考えられます。
香典・供花・弔電の名義:
これらは夫婦連名や「〇〇家」で名義を記すのが一般的ですが、別姓になりますとその前提が崩れます。葬儀では家族単位が基本であり、別姓では「山田太郎・鈴木花子」と記すか、必要に応じお子様の名前なども列記せざるを得ないでしょう。
また別姓だと名前だけでは本妻か浮気相手か区別がつかず、参列者の方が間違いをしてしまう可能性も生じます。
親族関係の認識と参列:
同じ姓が親族関係を認識する役割を果たしておりますが、別姓の配偶者の親族また参列者が、故人や遺族との関係を把握しづらくなることが考えられます。
参列範囲や案内状の送付先を決める際、関係性を明確に説明する必要が起きるなども考えられます。
墓碑:
墓碑は「〇〇家」と刻まれ、同じ姓でまとめるのが一般的で、近年承継者不足から両家墓とし家名を二つ刻むこともありますが、墓を継ぐべき子が母方の姓を付けられた場合は家名を引き継げませんし、両家墓にしても2代で姓とお墓の家名は一意しなくなります。墓参には友人が参ることもありますが、その家の事情を知らないと混乱することもあるでしょう。
法的手続き:
死亡届や埋葬許可証は戸籍の姓を用います。手続きは戸籍ベースですので大きな変更はないようですが、葬儀社や関係機関に別姓であることを伝える必要が生じ、不明な点や間違いが生じる可能性が発生します。
社会的な意識と慣習の課題:
どの国でも葬儀は家族単位で行われることが多いのですが、日本の葬儀は家族や「家」を中心に長年の慣習が根付いており、お墓・累代墓も同姓を前提としております。
別姓が導入されると、慣習・文化そのものである「家」や「姓」の枠組みが崩れます。たとえば、累代墓に別姓の夫婦が入る前提とすれば、名前だけでは配偶者か浮気相手かもわかりません。生から死までを同姓文化で貫く日本ですが、文化を法で歪めることは、社会的混乱を招くと見られます。
議論は必要ですが、別姓にした際の具体案がないまま「議論必要」とするのは、故人様への弔いを無視したものとなりかねません。。
夫婦別姓が導入されますと、喪主の決定、香典の名義、親族関係の把握、供養の形など、さまざまな面で間違いや手間などが生じると考えられます。特に「家」に依存する慣習との衝突は避けられず、法が現実にそぐわない可能性が残ります。
別姓にした場合の具体的な慣習・文化の変化を出した上での議論をしないと、慣習・文化また公序良俗に影響を及ぼすリスクがあると考えられます。