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家族葬で実際にかかる費用
近年、家族葬が主流となる中、広告に記載された費用と実際の葬儀費用に大きな差が生じ、トラブルに発展するケースも散見されます。この差が生じる要因について解説します。
1. 誤解を招く広告表示
価格競争が激化する葬儀業界では、集客のために安い価格を前面に押し出す広告が目立ちます。しかし、その多くは「基本プラン」といった限定的な内容であり、実際の葬儀費用と誤解される可能性があります。
中には「祭壇のみの費用」を掲示し隅に断り書きで「祭壇のみの費用」と書くものもあります。
消費者は葬儀全体の費用を知りたいと考えているため、このような広告表示は、あたかも葬儀全体がその価格で行えるかのような誤った印象を与えてしまいます。
2. 互助会の落とし穴
互助会に加入している場合でも、葬儀の際に多額の追加費用が発生することがあります。その主な理由としては、以下の点が挙げられます。
- プラン内容の限定性: 互助会のプランは、葬儀場費用や棺・祭壇など基本的なサービスや葬儀用品のみをカバーするものが多く、進行・運営などのサービスが含まれていなかったりオプションは含まれていないことが一般的です。
- 物価上昇への対応不足: 長期間積み立てていると、物価上昇により積立金が現在の葬儀費用に足りなくなる場合があります。
- 手数料や管理費: 積立金の一部は互助会の運営費などに充てられ、実際の葬儀費用に回される金額が少なくなることがあります。
3. 基本プランと追加費用
葬儀プランは、基本的なサービスのみを網羅した「基本プラン」と、様々なオプションが追加できる構成になっています。広告に掲載されているのは、通常、この基本プランの価格です。しかし、遺体の搬送、安置場所、装飾品、会場グレード、火葬場費用など、多くの要素が別途料金として請求されるため、実際の費用は基本プランの金額を大幅に上回る可能性があります。
4. 追加の葬儀サービス
葬儀の規模や家族の希望によって、遺影の作成、メモリアルDVDの作成、会葬礼状、返礼品、料理など、様々なオプションが追加されます。これらの費用は、基本プランには含まれていないため、別途料金が発生します。
5. 人数による変動
家族葬は少人数で行われることが多いですが、参列者の人数によって、料理や飲み物、返礼品の費用が変動します。そのため、少人数を想定した広告料金と比べて、実際の費用が大幅に増加する場合があります。
6. 火葬場費用とタイミング
火葬場の利用料は、葬儀社とは別途支払う必要があります。特に公営の火葬場の場合、利用料が無料または低額であることもありますが、一般的には別途費用がかかります。
7. 運搬や安置の追加料金
遺体の搬送や安置場所に関する費用も、状況によって変動します。自宅での安置が難しい場合や、火葬場の混雑により葬儀会場に長期間安置する必要がある場合は、追加費用が発生します。
まとめ
家族葬の費用は、広告に記載された金額だけでは判断できません。葬儀会社と事前にしっかりと打ち合わせを行い、見積もりを詳細に確認することが重要です。葬儀の準備を進める際は、以下の点に注意しましょう。
- 広告の金額は基本プランの料金であることを理解する
- 追加費用が発生する可能性があることを考慮する
- 複数の葬儀会社の見積もりを比較する
- 契約内容をしっかりと確認する
家族にとって大切な別れを、後悔のないようにするためにも、葬儀費用について十分な知識を身につけ、慎重に準備を進めてください。